※この記事はももいろクローバーZ(ももクロ)のファン(モノノフ)の人にしかわからない内容です。
しかも長いので、それでもいいという方だけは読み進めてください。
3月24日
ソロ活動再開「サクライブ」開催中の有安さんへ
前置きが長めですが読んでいただけるとうれしいです。
2018年の1月15日のことはいまだに忘れられません。
友人からのラインであなたがももクロを卒業し、芸能界からも距離を置くことを知りました。
一報を聞いた瞬間、全身から力が抜けてしまい、仕事も手につかないほどでした。
ももクロを追いかけて8年。
ちょうど6人から5人になった頃で、その後はもう数々の伝説を打ち立てて一気にトップアイドルへを駆け上がっていきましたね。
僕自身も転職してすぐの時期で心機一転、共に走っているような気持ちで、すごく励みになっていました。
ライブにも毎年参加し、特に2017年のももクリはサブタイトルの「完全無欠の」が示すように、まさに集大成のような内容で「ももクロもここまできたか、、、」と感慨深い気持ちに浸っていました。
年末はカウコンをネットで観戦。
海老反りジャンプとともに新年を迎え、そこからノンストップのライブ構成。
現場にいないのにその熱量は圧巻でした。
2018年の始まりは10周年はこれ以上何が起こるんだろうという期待でいっぱいだったんです。
1月15日「衝撃の発表」
しかし2週間後に状況は一変します。
1月15日の卒業発表から21日に卒業ライブ決定。
その日からあらゆるメディアに出演し、コメントされている姿を眺めながらも、まったく情報を飲み込めないでいました。
とりあえず21日のライブは絶対に見届けなければならない。
さもないと一生後悔する。
そんな使命感のような気持ちだけはありました。
もちろんチケットはプレミア化。
手に入るかどうかわかりません。
自分でもびっくりするぐらい動揺していて、ふとした瞬間に泣きそうになる程。
僕の中でももクロという存在がここまで大きいものになってたとは思ってもみませんでした。
ももクロは長く続けていくことを宣言していたからどこかで安心していたんです。
これからも毎年ライブを楽しめるし、5人の姿を見られる。
そう当たり前のように信じていたのに。
あと、1回で終わってしまう。
しかも芸能界からも距離を置くということはもう一生会うこともない。
極端な言い方をすれば「有安杏果は1月21日に死ぬ」
今となっては笑い話みたいなものですが、当時の僕は本気で葬式に出席するぐらいの気持ちでおりました。
チケットには落選。
絶望でした。
最期の姿を見送ることすらできないのか。
隣の会場でのライブビューイングが発表された時は本当にうれしかったです。
まだチャンスが残されている!
申し込みは早いもの順だったのでまたも厳しい争奪戦が予想されました。
しかも販売開始が昼の12時。
完全に仕事中でした。
いい歳した大人がアイドルのライブチケットを取るために仕事を抜けるなんてありえません。
しかし、僕の情緒不安定な様子を知っていた職場の後輩は快く送り出してくれたのです。
12時の数分前からスマホを握りしめ、ひたすら申し込み画面を連打しました。
予想通り12時になった瞬間に画面が読み込めなくなりました。
あきらめずにさらに繰り返し。
祈りが通じたのか、なんとかチケット申し込みができました。
急いで職場に戻り思わず後輩と握手。
まだチケットが取れただけなのに泣けてきました。
1月21日「新しい青空へ」
ライブ自体は別会場で行われるものの、開始前に本人からの挨拶があることは決まっていました。
一目でも直接会えるなら参戦する価値はあるはずです。
ライブ当日の朝はいつもなら楽しみしかないのですが、今日ばかりは複雑な気分でした。
終わりを見届けにいく覚悟はまったくできていませんでした。
でも、チケットを取れなかった人の分までやらないといけません。
紫推しの僕が入ることで、外れてしまった緑推しの方だっているはずですから。
移動中の電車でひたすらももクロの曲を聴き続けました。
どの曲を歌ったとしても5人でやるのは最後。
もう2度とやれなくなる曲だってあるでしょう。
ももクロは色や5という数字にまつわる曲があり、5人でしか成立しないものも多いのですから。
最寄り駅に着くと、駅前にはチケットを求める人がたくさんいました。
手に持っているパネルを見ると中には北海道から来ている人の姿も。
みんな最後の最後までかすかな望みにかけている。
そんな光景に後ろ髪を引かれる思いを抱きながらも幕張メッセへ向かいました。
国際展示場に一礼したあと、ライブビューイング会場である隣のイベントホールに入場。
もちろん前方に巨大なスクリーンがあるだけです。
挨拶はどこでやるんだろうとキョロキョロしていたら、スタンド席からももクロ5人とマネージャーの川上さんが登場しました。
表情はやわらかく、落ち着いている様子。
噛みしめるように伝えられるメッセージをただ無心に聞く。
最後はイベントホールを出て国際展示場に向かう姿に、力いっぱい感謝を叫びました。
そしてライブ開始。
流れるオーバーチュア。
巻き起こるコールの嵐。
最初の名前を呼ぶところでは「杏果」のところがひときわ大きかった気がします。
ダメだ。
もうこれで最後だと思うと耐えられない。
涙が止められない。
ライブ終盤、4人からのメッセージがありました。
「本当は、10周年は、5人で迎えたかったです」
百田さんのこのセリフで完全に涙腺が崩壊。
もう息が苦しくなるぐらい嗚咽してしまいました。
自分だけでなく会場全体がそんな感じで。
立っているのがやっと。
その場に崩れ落ちてしまう人も見られました。
そんな中で清々しいほどの笑顔。
「私はね、この8年間で、たくさんたくさん、いっぱいいろんなことをやらせてもらったので、もうやりきったなっていう風に思ってるし、後悔はないです」
涙ぐんではいるんだけど、早見さんの卒業の時を考えると、すごく冷静で。
もちろん年齢を重ねて精神的に強くなったというのもあるのでしょうが、それ以上に本当に言葉通り後悔なく終わっていくんだなと感じました。
最後のコメントの時点ですでに「自分はももクロのメンバーではないんだ」という意思が伝わってきました。
ひとりで去っていく様子はすごくあっさりしていて。
正直、もうちょっと名残惜しんでくれよ、とさえ思ってしまいました。
それだけにどうしてもライブのラストが「覚悟を持って自分の道を歩みだした有安さん」と「残された4人」みたいに見えてしまいました。
初めて4人で披露された「あの空へ向かってが」がすごく弱々しく感じてしまったのもそのせいかもしれません。
ライブが終わったあとはすべての感情を吐き出してしまったのか、なんの感情も湧いてきませんでした。
まさに空っぽ。
ここまでの喪失感は今まで感じたことがなかったです。
2018年「それぞれの物語」
ひとつよかったことがあるとすれば、自分がももクロのことを本当に好きで応援してきたんだというのがわかったことです。
アイドルの応援の仕方はいろいろあります。
中には恋愛対象としてみてしまうくらいの人もいますが、僕の中でももクロは姪っ子ぐらいの感覚です。
兄弟や友達ほど近くはないけれど、数ヶ月に1回会う程度の親戚。
それでいうとライブに行くのは授業参観や運動会観戦をするのにちかいのかもしれません。
2018年。
僕は毎月のようにイベントやライブに参戦することになりました。
結成10周年ということでメディア出演やコラボ企画なども多く、話題に事欠きませんでした。
おかげで4人になって感じていた喪失感はすぐに未来への期待感で埋めることができました。
メンバーはもちろん、川上さんを始めとする運営スタッフの尽力には本当に感謝しかありません。
一方、有安さんの方にも変化がありましたね。
誕生日である3月15日にSNSを開始。
もう会えないと思っていた僕は少し拍子抜けしてしまいました。
アカウントには「official」の文字が付いていて明らかに一般人とは違いましたから。
でもまあ、元気な姿を見られたのには安心しました。
そのうちソロ活動を始めるんだろうな、というのはなんとなく予想できたので、1年後の活動再開宣言にも驚きはなかったです。
いよいよやるんだーぐらいの感じでした。
個人事務所の設立、結婚を前提にした恋人の存在、復活ソロライブの開催決定など、良くも悪くも世間をにぎわせていましたね。
僕自身は今日までそのへんのことには距離を置いて過ごしてきました。
思うところがなかったわけではないですが、偉そうに語れるほどでもないし。
ももクロではなくなってしまったけれど素直にがんばって欲しい。
ただそれだけでした。
ちょうど僕自身も10年近く働いた会社から独立したところです。
初めて辞める意思を伝えた時は「裏切り者!」ときつい言葉もかけられました。
それでも人間は変わってしまうもの。
その時は本気でやっていたことでも、それより価値のあることを見つけてしまったら、止まってはいられない。
自分の価値は自分で決める。
我慢をして続けていても、ゆっくりと自分を殺すことにしかなりませんから。
多くの人に迷惑をかけて、どれだけ批判をされようとも、自分が本気で信じた道なら突き進むのも大事な選択。
その先でなにがあろうとも自分で選んだことなら納得もできるはず。
たとえ後悔することになっても、やらないより、やった方がいいに決まっています。
それでまた、いつの日か、なんらかの形でみんなに恩返しができればいいな、と。
後ろ盾を失って大変なことは多いんだけど、その困難さえも楽しめるのならやる価値はある。
そう思っています。
えらそうに聞こえるかもしれませんが、1年経ってやっとあの時の有安さんの気持ちがわかったようが気がするんです。
世界はまったく違いますが、僕も大きな組織から抜けて個人の力で戦っているので。
ちょうど今、サクライブが開催中ですね。
なんだかんだで結果で示していくしかないと思うので、最高のライブにしてください。
僕は僕で自分の目指す世界のために全力で取り組んでいます。
また会える、その日まで。