「君の名は。」が大ヒットしていますが、今日はこの秋のもうひとつの話題作「聲の形」を見て思ったことを書くよ。
いやーほんま、良作が多くて映画好き、アニメ好きにとってはたまらんですな。
【ネタバレあり】原作ファンとしてどう見るか?
制作は京アニなので、作品の絵作りや演出については特に心配しておりませんでした。
数々の学園アニメの名作を世に送り出してきたスタジオですから、スタッフロールを見てもまずいい感じに仕上げてくるでしょう。
問題はストーリー。
ボクはこの映画の原作漫画好きなんです。
映画化されると聞いてまず心配になったのがあの原作の内容をどこまで映画化できるのか。
漫画としては7巻完結で決して長い話ではないですが、2時間の映画にするにはかなり内容は多い。
しかも、無駄な話が少ないのではしょりにくい。
さてどうするんかなーっと思ってみてみたら、映画製作のくだりがごっそりなくなってしまっていました。
そこは正直残念。
だって映画制作がないと昔離ればなれになってしまった友達が、もう一度集まるってところの理由がどうしても弱くなってまうもんねー。
自主制作映画を通して、それぞれの立ち位置ややりたいことなんかが微妙に変化していく感じが原作の見所のひとつでもあります。
唯一の名残は永束君のTシャツに「HOLLY WOOD」って書いてあるところかな。
ちゅうわけで、原作ファンとしては映画は別ものとしてみた方がよいです。
ただ、原作をダイジェストにしたとかではなく、原作をきっちり読み込んで、物語の伝えたい部分を抽出し、再構築してちゃんと映画なりの終わり方を見せてくれたので、映画としても楽しめました。
映画を見て自分の学生時代のことを思い出した
この映画のメインテーマは人との距離感とかつながりとか。
そういや、ボクも中学とか高校の時ってコミニケーションのヘタな人間だったんすよね。
小学校が同級生6人という家族みたいな環境だったもんで、いざ100人以上同級生がいるという状況に放り込まれて、うまく対応しきれなかったのかも。
自分から人の輪に入っていくのが苦手で、クラス替えして1ヶ月ぐらいはひとりで弁当
食うみたいな。
そんで、見かねたクラスメイトから声かけられてちょっとずつ仲良くなっていく、そんなヤツでした。
スクールカースト的に言うと上でも下でもなく。
中の下ぐらいか。
いじめられるわけでなくいじめるわけでなく。
とにかく群れるみたいなのはなんかカッコ悪いという強烈な思い込みはあって。
「孤高」という言葉に憧れる、なんちゅうか、中二病ってやつですね。
友達は多くなかったけど、本音を分かり合える仲間がひとりでもいればそれでいいやって感じ。
でも本当はみんなからチヤホヤされたいし、女の子からはモテたい。
スポーツや勉強がめっちゃできるというわけでもなかったボクは、「群れない」という方法をとることにより、自分は大多数とは違う特別な人間であると思い込むことでアイデンティティを保っていました。
結果的には多くの支持を集めることはなかったけれど、やる時はなんかやる秘密兵器的なポジションを得ることになることになりました。
実際、文化祭や学園祭ではやったら張り切ってやってたからね。
いやー懐かしい。
感想的なもの(過去の自分に言いたいこと)
10代にやってたことって、結局は今も変わってない。
学校とか職場とか立場や環境の違いはあれど、本質的には同じだ。
ふとした時に、以前と同じような失敗をして思いっきりヘコむこともあるけれど、今のボクがそこからの立ち直り方も知っている。
それが昔と今の違いですな。
これを成長って言うんでしょうか?
15年前の何かになりたくてとにかくもがいていた自分には、とにかくあきらめなければ何者かにはなれるでってことは伝えてあげたい。
33歳現在、ものすごく成功したとか達成したとかそういう分かりやすいのはないんやけど、自分のことは良いも悪いもひっくるめて生きていけてる。
大切にしている仲間もいる。
そんで、しんどいことも多いけど、これからの未来に対してめっちゃワクワクしてる。
心配すんな。
人生は思ったようにはならん。
だから、めっちゃ楽しいで!
まいどおおきに!