飲食業をやるなら、やっぱり自分の店を持ちたい。
こういう目標を持つ方は多いと思います。
自分の店を持つってどんな感じなんやろなぁ?
ありがたいことに、まわりには自分の店を構えてバリバリ活躍している先輩方がたくさんいらっしゃいます。
やっぱり実際にやっている人のリアルな意見って大切よね。
ということで、六本木でバーを経営されている大先輩に「自分の店を持つとはどういうことなのか?」という直球の質問をぶつけてみました。
夢と現実
先輩は二十歳の頃から飲食業界に入って、すでに20年近くバーテンダーとして活躍しておられます。
その頃から自分で店を作るんだという野望があったそうです。
そして数年前、前オーナーから経営権を譲ってもらって、六本木に自分の店をオープンさせました。
店を始める前は色々な夢が広がるもんです。
「俺も昔は『最高のバーテンダーと最高のシェフがいて、カッコいい雰囲気の中でめっちゃうまい酒と料理が出せれば最強の店になる!』と思ってたんだよなぁ」
しかし、飲食で働けば働くほど、そんなものはあり得ないということを知る。
- 最高のシェフって言葉では簡単に言えるけど、じゃあどんな料理を作るの?
- カッコいい雰囲気って、どういう感じ?
- めっちゃうまい酒と料理って、そもそも人によって好みは違うよね?
そんな感じで様々な問題にぶち当たり、先輩の描いていたイメージは崩壊しました。
目標があまりにもデカすぎて現実とかけ離れてしまってたから。
どれだけ立派な目標でもそれだけじゃ、店は経営できない。
人、建物、料理などなど、具体的にしていかなきゃ何も始まらないんすねー。
誰に向けてやっている店なのか?
店をやる限りは、お客様に来てもらわなければ話になりません。
「どうやってお客様を呼ぶか?」も大切ですが「どういうお客様に来ていただきたいか?」の方がもっと大切。
ターゲットとしているお客様をはっきりさせることで、料理の内容、値段、店の内装や全体の世界観なども決まってきます。
ボクが作りたい店は外からも人を呼べるし、地元の人にも喜んでもらえる店です。
「始めから、すべてのお客様を満足させるのは難しいでしょ」
確かに。
外から来る人はわざわざ食事をするために来るわけだから、多少高くてもいいものを食べたい。
近所の人は普段使いがメインなので、手頃な値段の方がうれしい。
店に求めることが違うんですね。
どっちを優先するかとなれば、まずは外から来てくれる人。
店でお客様を呼べるようになれば、結果的には地元にも貢献できるようになるだろうし。
まずは核となることを徹底する
農業、古民家カフェ、ゲストハウス、地域貢献などなど、一通り今自分が考えていることを先輩にお伝えしてみました。
「お前が今、やらなきゃいけないことはなんなの?」
先ほどの夢と現実の話にも通じるのですが、壮大な目標を掲げてみたところで、結局は何をやるか。
今この瞬間からでも実行に移さなければ、いつまでたっても目標が達成できるはずがありません。
ボクの場合は
- 店を出すための資金を準備すること
- 外から人を呼べる価値(料理・店)を作ること
この2点がクリアされない限り、次のステップには進めません。
特に2つ目はすべての事業の核になる部分。
元々地元にあるモノとボクが10年間東京で学んできたコトを掛け合わせて新しい価値を生み出します。
「広げまくった妄想は自分の中にしっかり持っといて、まずはやらないといけないことから確実にやっていけ」
たぶん、先輩もなんやかんやで昔の野望をあきらめてないんやろなぁ。
自分の店を持つために最も大切なこと
「大切なのは店を続けること。そのためには、絶対もうかってないといけない」
自分の店は出そうと思えば誰にだって出すことはできます。
でも、大変なのは出してから。
毎日当たり前のように店を開けて営業をする。
その当たり前を続ける。
これが本当に難しい。
この記事にもあるように、飲食店は起業して2年以内に約50%が廃業に追い込まれるそうです。
廃業しないための唯一の方法は、利益を出し続けること。
せっかく自分の店を出したとしても、つぶれてしまっては意味がない。
儲かっていないと自分の夢や理想なんてモノは叶えられないんすよ。
もちろん、地元に貢献なんてのも夢のまた夢。
今の会社の社長にもよく言われること。
「料理人やない。商売人になれ!」
自分で経営されている人に言われると、説得力あるよね。
最後に
ボクがやる店はただおいしい料理を出すだけじゃない。
食の価値観やスタイルまで提供できる店。
具体的な内容は長くなるのでまた別の記事でまとめる予定です。
今はとにかく、先のことを考えつつ、現実としてやるべきことを確実にやっていかなあかんなぁと改めて痛感させられました。
おもしろくなってきたで!
まいどおおきに!