ADHD診断を受けて約1年が経ちました。
現在は会社を辞めて、フリーランスっていうか、個人事業主っていうか、まあそういうあいまいなものをやっています。
診断を受けてからは自分が生きやすくなる方法を探してきました。
ADHDを含む発達障害というものは、人によって特性の出方がまったく違うので、対処の仕方に絶対的な正解はありません。
人によっては特効薬でも、他の人にとっては毒薬なんてことは当たり前。
だから「自分を救えるのは自分だけ」みたいな状況になりがちなんです。
去年のボクは
- 正社員としての仕事はやれる範囲で継続
- 六本木から阿佐ヶ谷に引越
- 通院は必要な時だけ
- 投薬はなし
- 精神障害者手帳3級取得
みたいに、とにかくやれることから手をつけていきました。
今回の記事はそんな試行錯誤の1年間の末に感じたことをまとめたものです。
すべての人に当てはまるわけではないですけど、自分なりの正解も書いてみたので、参考になればうれしいです。
ADHDを受け入れるのは早かった
ADHD診断を受けて1番始めに受け止めなければならなかったのは
「自分が障害者なんだ」
という現実。
まあこれに関してはわりとすんなり受け入れられた方で。
むしろ診断から1ヶ月もした頃には
「だからって、人生が終わるわけやないしなぁ」
ぐらいで、それほど重くは感じていませんでした。
ただ、いろんな人と関わっていく中で自分をいう存在の中途半端さを突きつけられることになります。
健常者でも障害者でもない中途半端な存在
診断を受けてもそのまま同じ会社で働き続けました。
上司とも相談し、管理職を降りて、一般社員に。
会社に障害者雇用で働いている人がいなかったので
「とりあえず試しながらやれる限りやってみよう」
ということになりました。
管理職の業務を外してはもらいましたが、社員としての仕事は通常通り。
しかも飲食店というマルチタスクな業界のため、どれだけがんばっても不得意が出てしまいます。
ある程度は経験でカバーできるものの、仕事が立て込むと処理できなくなってしまうこともよくありました。
そうなるともう1人ではどうしようもないので周りに頼るしかない。
10年近く働いているベテラン社員がアルバイトにフォローされたりしているわけですから、一般的に考えたらダメ社員ですよね。
かといって、同じ発達障害の診断を受けた人と話していると
「普通にフルタイムで会社員として働けるなんてすごい!」
とほめられたりするんです。
このギャップが思っている以上にしんどい。
一般企業で働くには問題が多すぎるけど、まったく働けないほどツラくはない。
「いっそのこともっと悪ければ堂々と障害者でいられるのに」
と思ったことすらありました。
健常者でも障害者でもない、中途半端な存在。
どちらにも属せなくて不安定な時期が続きました。
生きやすい環境は自分で作るしかない
モヤモヤとしたまま、数ヶ月が経った頃。
「ハッタツフェス」というイベントを主催することになりました。
今思えば衝動性に任せた思いつきだったのですが、他にすがれるものがなかったボクはとにかくこのイベントにすべてをブッこみました。
その結果
「結局できないことはできないんだし、やれることに集中してやっていくしかない」
という当たり前の結論に至りました。
誰かに期待しても仕方がないし、自分の生きやすい環境は自分で作るしかない。
できないことは、ごめんなさい。
助けてもらって、ありがとう。
その分、できることは一生懸命やります。
これがボクの今の基本スタイル。
健常者とか障害者とか関係ない。
自分は自分としてしか生きられない。
なら自分の中での最高を目指すしかないやん。
いろんなことをあきらめたおかげで、覚悟みたいなのができました。
グレーゾーンは勝てる土俵で勝負しろ!
発達障害の特性を持ちつつも基準に満たない人のことを「グレーゾーン」と表現することがあります。
ボクの場合、ADHD診断があるものの、結局はグレーゾーンなんでしょう。
中途半端な存在のために理解されないことも多く、今も苦労は多いです。
それでも、苦しさなんて誰かと比較するものではないし、自分自身で折り合いをつけていくしかありません。
なら、グレーゾーンはグレーゾーンなりに戦っていくしかない。
「勝てない勝負を避けて、自分が得意な土俵で戦う」
1年間試行錯誤してこれが成果の出せる方法です。
苦手なことができなくても別に死ぬことはありません。
誰かに頼ったり、ツールやサービスを利用することで改善されることも多いです。
ならあとは自分の得意をどう生かすかを徹底的に考えて、試してみる。
これをひたすら繰り返すことで少しずつ状況は好転していきました。
自分の軸がはっきりすると毎日がだいぶ楽になります。
ADHD診断という事実は変えられないけど、そこから何をするかは自分次第
ちょっとした考え方の違いや行動で、人生は驚くほどに変わっていきます。
実際にボク自身がそうだったから。
長々とした文章を、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
ボクの経験が少しでも誰かのためになりますように。