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レビュー

【映画】「関ヶ原」は歴史が好きな人にこそ見て欲しい大作(ネタバレあり)

「関ヶ原」公式サイト

日本人なら1回は聞いたことがある歴史上の大事件。

「関ヶ原の戦い」

そんな超有名な「関ヶ原」をどストレートに描いた作品が公開されました。
ボク自身は、昔っから歴史とか時代物が大好きです。

大河ドラマも毎年1話も欠かさず見てるし、小説なんかでも歴史をテーマにしたものをよく読みます。
しかもこの「関ヶ原」は原作が司馬遼太郎。
しばりょー作品は学生時代に読み漁っていたので、これはもう見にいくしかないですな。

っちゅうことで、さっそく見に行ってきたんですが。

まさに歴史好きにぴったりの映画でした。

忘れないうちに、この映画を見るためのポイントをまとめます。

 

映画「関ヶ原」のあらすじ

もう知ってるよって人もいると思いますが、改めて簡単にまとめると。
関ヶ原の戦いとは戦国時代に天下統一を果たした豊臣秀吉の没後、次に誰がトップになるかを決めるための戦いでした。

豊臣方(西軍)の代表が石田三成。

徳川方(東軍)の代表が徳川家康。

日本全国の大名たちを巻き込んだまさに天下分け目の戦いで、その勝敗を決した場所が現在の岐阜県にある関ヶ原でした。
両軍合わせて20万人近くの武将が入り乱れた日本史上最大規模の戦いでしたが、わずか6時間ほどで決着。
というのも、この大戦。

始まる前からすでに勝敗は決まってしまったいたんですね。

始めは西軍が押していたにもかかわらず、徳川方の懐柔工作により、豊臣方の有力大名は次々と裏切るという展開に。
味方の裏切りにより、石田三成は敗走し、捕らえられ、処刑されてしまいます。
映画は実際に戦が始まる前からスタートします。

石田と徳川の因縁や、生き残るために繰り広げられる、騙し騙されの人間模様を描きながら関ヶ原へと突入していきます。

 

映画「関ヶ原」の登場人物

石田三成(岡田准一)

西軍を率いる主役の石田三成を演じるのはV6の岡田くん。
最近は「永遠の0」や「海賊と呼ばれた男」など、信念を貫き通す男を演じることが多い印象。
大河ドラマ「軍師官兵衛」でも黒田官兵衛役をやっているので、戦国時代には慣れているはず。歴史オタクらしいし。

「関ヶ原」でもコミュ障ながら、豊臣への忠義と自身の正義を貫くために最後の最後まで生き抜く姿を熱演しています。

純粋にカッコいいな!

徳川家康(役所広司)

石田三成を権謀術数で追い詰めて、天下を狙う徳川家康を演じるのは役所広司。
もうね、ホンマに狸親父。
徳川家康が生きてたらこんな感じだったんだろうなー。会ったことないけど。

豊臣方の武将たちをあの手この手で自軍に引き込んでいく様は悔しいけどすごい。

これじゃあ、三成が勝てないのも仕方がないっていう説得力があります。

初芽(有村架純)

三成に使える女忍、初芽を演じるのは有村架純。
この映画のヒロインでもあります。

時代劇初挑戦っちゅうことで、どうしてもちょっと違和感を感じてしまうことはあるんですけど、体当たりの演技で魅せてくれました。

アクションもこなしてるし、後半はほとんど泥まみれでしたね。

映画「関ヶ原」の感想

緊迫の情報戦

戦国時代なんて刀と鉄砲でしょって感じですが、いつの時代も情報を早く握ったものが勝つ。

掴んだ情報から相手の出方を予想し、先手を打ってつぶす。
特に前半は三成と家康の激しい情報戦が描かれます。
家康の目論見を徹底的にジャマする三成。

しかし、家康が人の情に訴えかける作戦に切り替えてから状況が一変します。
しょせん、人は誰かを使うか、誰かに使われるしかない。
三成は人を使うのがヘタだったんですね。

理想と正義だけでは人はなかなか動いてくれないってことです。
情報戦の鍵を握る忍者たちの活躍も見所。
それぞれの能力を使いまくって、主君のために命張ってます。

義を貫く生き方

理想のために生きるってすげー難しい。
人間はやっぱ弱いから、目先の欲とか、甘えとか。
すぐに優しい方に流されがち。
人間らしいっちゃ、らしいんだけど。

ストイックに自分の生き方を貫く人はカッコええっす。

合戦シーンの迫力

エキストラ3000人、馬400頭が登場するという最後の合戦シーンは迫力満点。

ドローンを使った空撮もやっているので、広大な戦場の様子も伝わってきます。
歩兵が槍襖で戦うシーンなんか見てると、かなり現実に近い合戦シーンなんじゃないかなぁ。

とりあえず、島左近はチート級に強い。
例えるならファイナルファンタジータクティクスに出てくるシドみたいなもん。

歴史の知識がないとしんどい

正直、関ヶ原を描くには映画1本ではあまりにも短い。
よって、物語は重要な部分を押さえつつも、ガンガン進んでいきます。

間の展開や、他の人の行動などは歴史を知っている人なら当たり前のことですが、知らない人はまったくわからないはず。
用語の説明などもないので、下手したらどっちが味方か敵かすらわからなくなりそう。
基本的に、合戦シーンでは全員鎧着てるし。

岡田くんや有村架純だけを目的に見に行ったら痛い目を見るでしょう。

少なくとも学校で習うぐらいの知識はある上で、歴史的有名な場面がどうやって描かれるのかを楽しむという見方が正解です。

「愛」と「野望」、激突!

というキャッチフレーズですが、かなり野望の成分が多目。
石田三成の生き様に憧れつつも、徳川家康の頭の良さと行動力に圧倒される映画です。

 

さいごに

歴史的な部分以外でいうと。

個性的な武将たちを演じる個性的な役者たちの演技はめっちゃよかったです。

特にお気に入りは福島正則役の音尾琢真さん。
顔。とにかく、顔のインパクトがすげぇ。

滝藤賢一さんの秀吉も狂気を感じる怪演っぷりです。
内容盛りだくさんの映画なんで、自分のお気に入りを見つけて楽しんでみるのはどうでしょうか!
映画で描ききれなかった部分は原作で。

より、それぞれの登場人物を深く掘り下げて書いてくれています。