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応援団

地獄の応援団合宿「狂気の先に何があるのか?」

ゴールデンウィークといえば思い出すのが応援団の合宿。
ウチの大学では4月の末から5月頭の連休を利用して、1週間の合宿を行うのが伝統でした。

これがねぇ。
ホンマに、めっちゃめちゃキツい。

それなりに体力には自信がある方でしたけど、応援団の合宿は想像をぶっちぎりに越えてきやがりました。
今日はそんな、知られざる応援団の合宿の話。

 

応援団の合宿風景


慶応応援部 本編

自分の大学ではないですけど、慶応大学応援団指導部の映像があったんで張っておきます。
基本的に雰囲気はどこの大学も似たようなもんなんちゃいますかねぇ。
この映像を見た反応は完全に分かれます。

「カッコいい」という肯定派。
「キモチ悪い」という否定派。

これはもう仕方ないですよ。
応援団なんてクセが強い団体ですから、好き嫌いははっきり出てしまう。
そんなもんはやってる本人もよーくわかっています。

でも、ドン引きされるぐらいの気合いがあるからこそ、涙が出るぐらい深く刺さる応援になるのもまた事実。

 

応援団の合宿練習メニュー

応援団といってもそれほど特殊なことはやっていません。
合宿でやっていた練習メニューといえば。

ランニング

走る。
とにかく走る。

合宿になると先輩の思いつきで「あの山まで走るか!」みたいな感じでいきなり山登りやったりします。
初っ端で体力の4割近くを失います。

発声練習

応援で最も大切な武器は「声」です。
球場の端から端まで届かせるぐらいじゃないと試合では役に立ちません。

遠くに届けるイメージで。
山の上とか海に向かってやると気持ちいです。
体力的には唯一の休憩時間。

サーキットトレーニング

腕立て、腹筋、背筋、スクワットを各10回ずつ×無限

終わりの見えない戦いほど怖いものはありません。
ここでさらに体力の4割を失います。

型(テク)練習

体力ゲージ的にはすでに黄色ですが、応援団的な練習はここからです。

演舞の基礎となる型の練習。
さっきの映像にもちょこっと映ってましたが。

言葉で説明すると、頭の後ろで折り畳んだ腕を前に習えのように前へ突き出すやつ。
あとは正拳突きとか。
だいたい5種類ぐらいやってました。

ひとつひとつは単純な動きなのですが、ずっと同じ体勢で同じ動きを繰り返すって地味にしんどいんですよね。
後半になると体力なんてほとんど残っていません。

でも、もう限界と思ったところから始めて本当の練習が始まります。

応援団では体力トレーニングのことを「根性練」と読んでいました。
体力以上に精神力を鍛えるという目的が大きかったからです。
しんどい時にどれだけ気持ちを奮い立たせられるか、それが応援ですから。

演舞練習

型を体に嫌という程しみ込ませたら、演舞の練習です。
といっても、経験の浅い1回生はひたすら手拍子。

ただ手拍子ひとつとっても形がしっかりと決まっているので、ちょっとでもずれていると細かく修正されます。
応援歌を歌いながら全力で手拍子していると、腕は上がらなくなってくるし、手の皮は破れるしで見た目以上にキツい。

そこを食いしばってやり続けないと、拍手だけで見る人を感動させるレベルにはなりません。


東京大学運動会応援部 演舞 チャンスパターンメドレー「ビクトリーマーチ」 (2013.08.10.第52回七大戦演舞会 A)

拍手といえば、東大がやっぱすごいかなー。
たかが拍手、されど拍手。
拍手ひとつに魂込めてやってます。

ここまでくるとマニアックすぎてなかなか伝わらないんですが、すごくいいです。

・・・ということで。

練習内容を思い出してきたわけですけど、辛くなってきたのでこのへんで止めときますね。
練習以外にも反省会や全体ミーティングなど、合宿中は気を休める隙がありません。

これを1週間やり続けてたわけやからねー。
昔の自分、バケモンですわ。
今の体力でやったら15分持たなそう。

ちなみにこの小説に出てくる合宿のシーンはかなりリアリティがあります。
ランニングの最後のシーンなんか、まさにこんな感じ。

興味ある方はぜひご一読を。

応援団の掟

応援団の練習中には絶対的な掟があります。

それは

「連帯責任」

つまり、全員がやりきるまで練習が終わらないということ。
だから練習中も常にお互いで声を掛け合う。
疲れて下を向いてしまいそうなヤツがいると周りの仲間から檄が飛びます。

先輩からも「できない時」より「ひとりだけでやってる時」の方が怒られます。

ひとりでうまくやろうとしても意味はないんです。
だって、応援は自分ひとりだけでは成立しないんですから。

まずは目の前の仲間と自分を本気で応援できないと、試合で選手に届く応援なんて絶対にできません。

連帯責任の意味を表面だけで捉えると、意地悪でめんどくさいルールのように思えます。
でも連帯責任だからこそ、自分はもちろんできなきゃいけないし、相手がどうやったらできるようになるか考えなきゃいけない。
自分だけできてればいいやってヤツは応援団にはいりませんから。

さっきの練習メニューもひとりでやれっていわれても無理でしょ?
人間はそんなに強くない。
だからこそ誰かに応援してもらうし、誰かを応援する。

お互いを応援し合うことでひとりじゃ出せない力が出せるようになるんです。

応援団はスポーツのようにゴールしたら点が入るみたいなわかりやすいルールはありません。
でも確かに、応援されることでいつも以上の力が出せる。
そういう感覚を体験することで応援に必要な精神を身につける。

合宿をやる意味ってそこが1番大きいでしょうねー。

 

刻み込まれた応援団イズム

このブログもよく「応援団 怖い」で検索されております。
先輩は絶対だし理不尽だしやたら大声だしずっとにらんでるし。
一般の人からしたら意味わからんよね。

怖がられるのも仕方ないです。

でもやっぱ、相手の心を揺さぶるような気合いって狂気的なところからしか生まれないんですよ。

誰にでもできることをやっていても人の気持ちは動かせない。
ただ、誰にでもできることを誰にもできないぐらいとことんやり抜けば届くこともある。
応援団の活動ってそういうもんなんです。

時代によって応援団に求められることって変わってきているのかもしれません。
しかし、時代や国境すらも越えて伝わるもの。

一生懸命本気でやっている姿が最高の応援になると信じています。


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最後に。
応援団経験者が社会人になって思うあるあるで締めたいと思います。

「どんなに大変なことがあっても、合宿に比べたら大したことないやんと思いがち」

以上です!

あっざぁーした!!